75歳男性。
15年ほど前から動作がゆっくりになり、立っているときに前かがみの姿勢が目立つようになった。
近医を受診したところ、パーキンソン病と診断され、タリペキソールの投与により症状の改善を認めた。
70歳頃より症状が悪化したが、レボドパとカルビドパの配合剤への変更により、症状の改善が得られていた。
最近、この配合剤の薬効の持続時間が短くなり、配合剤の使用回数が増えた。
この患者の病態及び薬物治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答1・5
解説
正解は1と5。
パーキンソン病の初発症状として、動作緩慢(寡動・無動)や前かがみ姿勢に代表される姿勢反射障害がみられることは典型的である。
長期のレボドパ治療で薬効持続時間が短縮するwearing-off現象に対しては、レボドパ・カルビドパ配合剤の1回量を減らし投与回数を増やす、あるいはCOMT阻害薬エンタカポンを併用してレボドパの分解を抑え血中濃度の変動を平坦化する対応がとられる。
パーキンソン病で変性するのは黒質緻密部に細胞体をもつドパミン神経(黒質線条体路)であり、線条体を起始核とするのではない。
カルビドパは末梢のドパ脱炭酸酵素を阻害してレボドパの中枢移行量を増やす薬でありドパミン自体の血液脳関門通過性を高める作用はない。
wearing-offは主に病状進行に伴う現象であり遺伝子多型による個人差が主因ではない。