図は、アルケンAからアルコールC又はアルコールDを合成する経路を示している。
この経路に含まれる反応又は化合物に関する記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。
(図:化合物A(1-メチルシクロヘキセン、環にCH3が置換したシクロヘキセン)が、経路1では BH3 を作用させ中間体Bを生じ、続いてH2O2/NaOH/H2Oを作用させアルコールCを生じる。経路2ではH2SO4(触媒量)/H2O/加熱によりアルコールDを生じる。)
正解を2つ選んでください。
正答2・3
解説
正解は2と3。
BH3付加は立体障害の少ないC2側にホウ素、C1側に水素がsyn付加し(anti付加ではない)、続くH2O2/NaOHの酸化的置換反応(C-B結合をC-OH結合に変換、選択肢2は正しい)で立体保持のままアルコールCが得られる。
この一段階で新たに2つの不斉中心が同時に生じるが、不斉合成のようなキラル制御はないため生成物は等量のエナンチオマー対、すなわちラセミ混合物となる。
アルコールCとD(H2SO4触媒の酸性水和で得る第三級アルコール、Markovnikov則)はOHの位置が異なる構造異性体であり、立体異性体であるジアステレオマーの関係にはない。
またDは対称面をもち不斉炭素を生じないため、メソ体とは呼ばない。