未知タンパク質Xを分離精製し、その特性を解析した。
タンパク質Xを含む細胞抽出液(試料ア)をドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)及びサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により分析した。
SDS-PAGEに際し、試料アにSDSと2-メルカプトエタノールを添加して前処理した(試料イ)。
図1のレーンAは分子量が25 kDa、35 kDa、40 kDa、55 kDaの4種の分子量マーカータンパク質を示し、レーンBは試料イを分離したときの泳動結果である。
図2は精製したタンパク質X溶液(試料ウ)と上記の4種の分子量マーカータンパク質を混合して分離したときのクロマトグラムである。
以下の記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答2・3
解説
正解は2と3。
SDS存在下では、タンパク質の表面電荷にかかわらずSDSが一定の割合で結合し全体が負に帯電するため、電気泳動では陰極側から陽極側へ分子量に応じて移動する。
図1のレーンBでタンパク質Xに対応するバンドXは分子量マーカー40 kDaと55 kDaの間に位置しており、タンパク質Xの分子量はおよそ40〜55 kDaと推定される。
試料イの前処理でSDSとともに用いる2-メルカプトエタノールはジスルフィド結合を切断する還元剤であり、酸化的処理ではないため選択肢1は誤り。
SECの固定相は多孔質のゲル担体であり分子ふるい効果で分離するものであって、プロテインA固定化担体ではないため選択肢4は誤り。
SECでは分子量の大きい分子ほど早く溶出するため、タンパク質X(約40〜55kDa)の単量体ピークは55kDaのピーク①の次に溶出するピーク②であり、ピーク④ではないため選択肢5も誤り。