下図は、死因別にみた死亡率の年次推移を、1947年から2014年まで示した結果である。
各死因の死亡率の変遷の理由について正しいのはどれか。
2つ選べ。
(図:横軸1945〜2015年、縦軸死亡率(人口10万対、0〜300)の死因別死亡率年次推移グラフ。①(△印・実線)は1950年代以降ほぼ一貫して上昇し2014年に約290に達する曲線。②(●印・点線)は1950年代の60台から緩やかに上昇して1990年代前半に約145に達した後、1995年前後に約112まで急減し、その後再び上昇して2014年に約157に達する曲線。③(□印・点線)は1980年代前半に約30から増加傾向を示し2014年に約95に達する曲線。④(○印・実線)は1965〜1970年頃に約175でピークを示した後1994年の約96まで低下し、1995年に約118へ急増したのち再び緩やかに低下して2014年に約93となる曲線。⑤(●印・実線)は1947年の約185から1950年代にかけて急激に減少し以降ほぼ0に近い値で推移する曲線。)
正解を2つ選んでください。
正答2・5
解説
正解は2と5。
1995年前後の②(心疾患)の急減は、平成7年1月施行の死亡診断書(死体検案書)における「死亡の原因欄には、疾患の終末期の状態としての心不全、呼吸不全等は書かないでください」という注意書きの周知によるものであり、④(脳血管疾患)の急増はICD-10(平成7年1月適用)による原死因選択ルールの明確化によるもので、いずれも国際的な死因分類・死因統計の取扱いの変更に伴う変動である(選択肢2正)。
1950年まで死因の首位であった⑤(結核)の死亡率が激減したのは、ストレプトマイシン等の化学療法薬の普及、衛生水準の向上や栄養状態の改善によるところが大きい(選択肢5正)。
①(悪性新生物)の死亡率上昇には人口の高齢化が大きく関与しており、関与しないとする選択肢1は誤り。
③(肺炎)が1980年代以降増加したのは主に人口の高齢化による高齢者の誤嚥性肺炎等の増加が要因であり、薬剤耐性新興感染症の急増とする選択肢3は誤り。
④(脳血管疾患)が1970年代から減少傾向にあるのは主に減塩や降圧治療の普及による高血圧管理の改善が要因であり、カルシウム摂取量増加を主要因とする選択肢4は誤り。