ジクロフェナクナトリウムは、化合物Aから化合物Bを経由して合成できる。
化合物Bはどれか。
1つ選べ。
(図:化合物A[N-(2,6-ジクロロフェニル)-N-フェニル-2-クロロアセトアミド]をAlCl3、160℃で処理すると化合物Bが生成し、Bをさらに NaOH/CH3CH2OH・H2O・加熱還流 で処理するとジクロフェナクナトリウム(2-[(2,6-ジクロロフェニル)アミノ]フェニル酢酸ナトリウム)が得られる反応スキームと、化合物Bの候補構造式1〜5。)
正答4
解説
正解は4。
化合物A(N-(2,6-ジクロロフェニル)-N-フェニル-2-クロロアセトアミド)をAlCl3存在下160℃で処理すると、分子内フリーデル・クラフツ アルキル化が進行し、フェニル環上で環化してN-(2,6-ジクロロフェニル)オキシインドール(インドリン-2-オン、化合物B=選択肢4)が生成する。
これをNaOH/エタノール水溶液で加熱還流すると、オキシインドールの5員環ラクタム(アミド結合)が加水分解されて開環しジクロフェナクの酢酸側鎖が形成され、ジクロフェナクナトリウムが得られる。
これはジクロフェナクの工業的合成経路として知られる反応である。
一方、選択肢2はα-クロロ酸塩化物、選択肢3はN上にクロロビニル基をもつエナミン型の化合物であり、いずれもAlCl3による分子内環化で生じる環状アミド(ラクタム)構造をもたず、アルカリ加水分解によってジクロフェナクの-CH2-CO2Na側鎖を与えることもない。