AがB所有の甲土地を建物所有目的でなく利用するための権原が、(1)地上権である場合と(2)賃借権である場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
なお、AもBも対抗要件を備えているものとする。
正答3
解説
正解は3です。
地上権は物権、賃借権は債権であり、修繕義務・譲渡・抵当権の設定などで扱いが異なります。
【選択肢別解説】
1:× 地上権の場合、土地所有者は修繕義務を負いません。
地上権は物権であり、所有者は地上権者の使用を妨げない義務を負うにとどまります。
修繕義務を負うのは賃貸借の賃貸人です(民法606条1項)。
2:× 地上権は土地所有者の承諾なく譲渡できるので、(1)ではBはCに明渡しを請求できません。
賃借権の無断譲渡は612条により許されず、(2)では原則として明渡しを請求できます。
3:○ 地上権は抵当権の目的とすることができます(369条2項)。
一方、賃借権を目的とする抵当権の設定は認められていません。
4:× 対抗要件を備えた不動産の賃借人も、不法占拠者に妨害の停止を請求できます(605条の4)。
したがって(2)でもAはDの妨害の排除を求めることができます。
【ポイント】
抵当権の目的になるのは「不動産・地上権・永小作権」の3つです。
対抗要件を備えた賃借人の妨害停止・返還請求は2020年改正で明文化されました。