A所有の甲土地につき、令和2年7月1日にBとの間で居住の用に供する建物の所有を目的として存続期間30年の約定で賃貸借契約(以下この問において「本件契約」という。)が締結された場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、正しいものはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
居住用建物の所有を目的とする借地契約について、対抗力・地代の増減・建物買取請求・更新後の期間を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× 土地の引渡しだけでは、借地権を第三者Cに対抗できません。
借地権の対抗要件は、借地権の登記か、借地上の登記された自己名義の建物です(民法605条、借地借家法10条1項)。
2:× 「増減を行わない」特約があっても、Bは借賃の減額を請求できます。
増額請求を排除できるのは、一定期間地代等を増額しない旨の特約に限られます(借地借家法11条1項ただし書)。
減額しない旨の特約は借地権者に不利なので、減額請求を妨げません。
3:× 債務不履行で解除された場合、借地権者はもともと建物買取請求権を行使できません(判例)。
本肢の合意は判例の結論と同じ内容で、借地権者に不利な特約ではありません。
したがって、この合意が無効となることはありません。
4:○ 借地契約を最初に更新する場合の存続期間は、更新の日から20年です(借地借家法4条)。
これより短い期間の定めは借地権者に不利なので無効です(借地借家法9条)。
したがって、15年と定めても20年となります。
【ポイント】
借地権の存続期間は、当初30年、最初の更新後20年、2回目以降の更新後10年が最低限です。
これより長い期間を定めることは自由です。