正答1
解説
正解は1です。
袋地(他の土地に囲まれて公道に通じない土地)の所有者に認められる囲繞地通行権の問題です。
この通行権は、民法210条以下により法律上当然に発生する権利です。
【選択肢別解説】
1:○ 共有物の分割で袋地が生じた場合、他の分割者の所有地のみを通行できます(民法213条1項)。
この場合、償金を支払う必要はありません。
分割によって袋地が生じることは、分割者自身が予期できたためです。
2:× 自動車による通行権が認められることはない、という部分が誤りです。
判例は、自動車による通行権が認められる余地があるとしています(最判平成18年3月16日)。
自動車通行の必要性や、囲繞地所有者が被る不利益などを総合考慮して判断されます。
3:× 乙土地の賃借権は、甲土地とは別個の賃貸借契約に基づく権利です。
甲土地の所有権に従たる権利とはいえないため、甲土地を売却しても当然にはBに移転しません。
Bが通路を使うには、乙土地の所有者との契約や、賃借権譲渡の承諾が必要です。
4:× 囲繞地通行権は、袋地の所有権に付随して法律上当然に認められる権利です。
囲繞地の所有者が時効取得により変わっても、通行権は消滅しません。
Aは引き続きCの土地を通行することができます。
【ポイント】
分割や一部譲渡で袋地が生じた場合は、他の分割者・譲受人の土地のみ通行でき、償金は不要です。
通常の囲繞地通行権では、通行地の損害に対して償金を支払う必要があります(民法212条)。