「66歳の男性。右前頭葉に脳出血を発症し保存治療中。身体麻痺は認められず排泄動作は自立しているが、トイレに行くこと自体を忘れて失禁することがある。」
高次脳機能障害として最も考えられるのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
症例は、右前頭葉の脳出血を起こした66歳の男性です。
症例文の「身体麻痺は認められず排泄動作は自立しているが、トイレに行くこと自体を忘れて失禁する」が判断の手がかりです。
動作そのものはできるのに、行動を計画して自ら始められない点に注目します。
【選択肢別解説】
1:× 半側空間無視は、主に右頭頂葉の損傷で、左側の空間に注意が向かなくなる障害です。
本例の症状とは異なります。
2:○ 遂行機能障害は、目標を立て、計画し、自ら行動を開始する能力が損なわれる障害で、前頭葉の損傷で起こります。
排泄動作はできるのに、適切なときにトイレへ行く行動を起こせない本例に合致します。
3:× 身体失認は、自分の体の一部を認識できなくなる障害で、主に右頭頂葉の損傷で起こります。
本例ではそのような所見は書かれていません。
4:× 観念失行は、道具の使い方や一連の動作の手順がわからなくなる障害で、主に左頭頂葉の損傷で起こります。
本例は「排泄動作は自立」しており、合いません。
【ポイント】
前頭葉の損傷は遂行機能障害、右頭頂葉は半側空間無視や身体失認、左頭頂葉は失行や失語と結びつけて覚えましょう。