正答4
解説
正解は4です。
月経過多に消化器症状と冷えを伴う症例で、どの臓腑の虚を補うかを問う問題です。
脾には飲食物を気血に変える運化と、血を脈中にとどめる統血の働きがあります。
食欲不振と大便溏薄は運化の低下、月経過多は統血の失調を示します。
臍部に力がないのは腹診で脾の部位が虚していることを示します。
面色萎黄は気血の不足、四肢の冷えは脾気が四肢に行き渡らない状態です。
【選択肢別解説】
1:× 胃熱を除く方針は、消穀善飢や口臭、歯茎の腫れ、便秘などがある場合に用います。
本症例は大便溏薄で熱の所見がなく、方針が合いません。
2:× 腎精を補う方針は、発育の遅れや早老、耳鳴り、腰膝のだるさなどがある場合に用います。
本症例の中心は消化器症状で、腎精不足の所見はありません。
3:× 痰湿を除く方針は、身体の重だるさや胸のつかえ、膩苔などがある実証に用います。
本症例は力のない臍部など虚の所見が主体で、除く治療は合いません。
4:○ 運化と統血の低下を示す所見がそろっており、脾気虚証と判断できます。
したがって脾気を補う方針が最も適切です。
【ポイント】
月経過多や不正出血に脾虚の症状が重なれば「脾不統血」を考えます。
腹診では臍の周囲が脾の部位とされ、そこが軟弱で力がないことは脾虚の根拠になります。