次の文で示す患者の病証に対する治療方針で最も適切なのはどれか。
「35歳の女性。主訴は月経痛。1年前に第4子を出産してから月経後に疲労・倦怠感が強くなり、足腰がだるく、耳鳴りもある。経血は色が淡く、量は少なく稀薄。舌質は淡、脈は沈細。」
正答3
解説
正解は3です。
第4子出産後から月経後の疲労・倦怠感が強く、足腰のだるさと耳鳴りがあります。
足腰のだるさと耳鳴りは腎虚、経血が淡く量が少なく稀薄なのは肝血の不足を示します。
舌質淡と脈沈細も虚証の所見で、月経痛は精血不足で胞宮が養われないために起こると考えます。
【選択肢別解説】
1:× 肝気を疏通し瘀血を去る方針は、月経前の張った痛みや暗紫色で血塊のある経血を伴う実証に用います。
本症例は経血が淡く稀薄な虚証なので合いません。
2:× 下焦を温める方針は、冷えで悪化し温めると軽減する寒証の月経痛に用います。
本症例には冷えの所見がなく、病態の中心は肝腎の不足です。
3:○ 多産による精血の消耗で肝腎が虚した病態です。
肝腎経を補益する方針が、足腰のだるさや耳鳴り、淡く少ない経血といった所見すべてに合います。
4:× 陰液を養い熱を去る方針は、ほてりや寝汗、舌紅少苔、細数脈を伴う陰虚内熱に用います。
本症例は舌淡で熱の所見がないため合いません。
【ポイント】
月経後に痛みや疲労が強いのは虚証、月経前から痛むのは実証という見分け方が基本です。
腰膝のだるさと耳鳴りは腎虚の代表的な症状です。