次の文で示す症例について、問題77、問題78の問いに答えよ。
「40歳の女性。数年前より手指のこわばりを自覚していた。最近、症状の増悪と手指の関節痛、腫脹が認められ来院した。冷たいものに触ると手指が白くなることがある。検査では抗トポイソメラーゼI抗体(抗Scl-70)が陽性であった。」 本症例の手指の所見はどれか。
正答3
解説
正解は3です。
症例では「冷たいものに触ると手指が白くなる」という症状と、「抗トポイソメラーゼI抗体(抗Scl-70)陽性」がみられます。
手指のこわばりと合わせて、全身性強皮症が考えられます。
【選択肢別解説】
1:× ゴットロン徴候は全身性強皮症ではなく、皮膚筋炎でみられる所見です。
手指の関節の背側に赤紫色の盛り上がった皮疹が出ます。
2:× ばち指は全身性強皮症の典型的な所見ではなく、チアノーゼ性心疾患や肺癌など慢性の低酸素状態でみられます。
指先が太鼓のばちのように膨らみます。
3:○ 本症例の手指の所見はレイノー現象です。
寒さや緊張で手指の動脈が強く縮み、指が白くなってから紫、赤へと色が変わります。
全身性強皮症ではほぼ全例にみられ、最初の症状になることが多いです。
4:× スプーン状爪は全身性強皮症ではなく、鉄欠乏性貧血でみられる所見です。
爪が薄くなり、中央がへこんで反り返ります。
【ポイント】
抗Scl-70抗体は全身性強皮症に特異的な自己抗体で、皮膚硬化が広い範囲に及ぶ型や間質性肺炎と関連します。
レイノー現象は、強皮症のほか全身性エリテマトーデスや混合性結合組織病でもみられます。