45 歳の男性。
交通事故による外傷性脳損傷で入院中である。
運動麻痺はないが、 会話中の内容が急に変わったり、段取り良く片付けができない。
作業療法士が高次脳機能障害の有無や程度を把握するために初期に行う評価で最も適切なのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
運動麻痺がなく、会話の内容が急に変わり、段取りよく片付けができないという症状から、遂行機能障害が中心と考えられます。
遂行機能障害を評価する検査を選ぶ問題です。
【選択肢別解説】
1:× BIT(Behavioural Inattention Test:行動性無視検査)は半側空間無視の検査です。
本症例には無視を示す記載がありません。
2:× CAS(Clinical Assessment for Spontaneity:標準意欲評価法)は意欲・自発性の低下を評価する検査です。
主症状である段取りの悪さは評価できません。
3:○ BADS(Behavioural Assessment of the Dysexecutive Syndrome:遂行機能障害症候群の行動評価)は、日常生活に近い課題で計画・実行・修正の能力をみる検査です。
段取りの悪さなど本症例の症状を評価するのに最も適しています。
4:× SLTA(標準失語症検査)は失語症の検査です。
本症例の会話の脱線は言語機能の障害ではなく、遂行機能や注意の問題と考えられます。
5:× HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)は認知症のスクリーニング検査です。
遂行機能障害は十分に評価できません。
【ポイント】
外傷性脳損傷では、運動麻痺がなくても遂行機能障害・注意障害・社会的行動障害が問題になりやすいです。
遂行機能障害の代表的な検査はBADSで、ほかにTMT(Trail Making Test)やWCST(ウィスコンシンカード分類検査)もあります。