正答2
解説
正解は2です。
Daniels らの徒手筋力テストで、段階5・4を判定するときの検査肢位、抵抗をかける位置と方向を問う問題です。
公式問題冊子では、図の1が肩屈曲、2が肩甲骨内転と下方回旋、3が肘屈曲(腕橈骨筋)、4が膝伸展、5が足底屈の検査です。
【選択肢別解説】
1:× 肩屈曲の検査として、抵抗をかける位置が誤っています。
図では検査者の手が肩のすぐ近くの上腕近位部に置かれ、もう一方の手は肩甲骨の下角付近に当てられています。
Daniels の肩屈曲の段階5・4では、座位で肩を90度まで屈曲させ、肘のすぐ上の上腕遠位部に下向きの抵抗を加えます。
抵抗を近位にかけるとてこの腕が短くなり、筋力を正しく判定できません。
2:○ 肩甲骨内転と下方回旋(菱形筋)の検査として正しい方法です。
図では腹臥位で検査側の手を腰の上の背部に置かせ、その肘を持ち上げさせています。
検査者は一方の手を肩甲骨付近に当てて動きを確かめ、もう一方の手で肘の近くの上腕遠位部に抵抗を加えています。
抵抗の矢印は外下方を向き、肩甲骨を外転・上方回旋させる向きです。
これは菱形筋の作用(肩甲骨の内転・下方回旋)と逆向きであり、Daniels の手技に一致します。
3:× 肘屈曲(腕橈骨筋)の検査として、前腕の肢位と固定の方法が異なります。
図では前腕が回内位に近い向きで、検査者はもう一方の手で肘の下を支えています。
腕橈骨筋は、前腕を回内と回外の中間位(母指が上を向く位置)にして検査します。
Daniels では上腕を体側に下垂させ、前腕遠位部に肘伸展方向の抵抗を加え、もう一方の手は肩の前面に当てて対抗させます。
4:× 膝伸展の検査として、膝の肢位と大腿の支え方が Daniels の方法と異なります。
図では膝を伸ばし切った位置で、下腿遠位部に下向きの抵抗を加えています。
Daniels では膝を完全伸展位でロックさせず、伸ばし切る手前の位置で抵抗を加えます。
膝をロックすると関節の構造で抵抗に耐えられるため、大腿四頭筋の筋力を正しく判定できないからです。
また、検査者のもう一方の手を大腿遠位部の下に置いて大腿を支えます。
5:× 足底屈の段階5・4は、徒手抵抗では判定しません。
図では臥位の下腿を支え、足部に徒手で抵抗を加えています。
下腿三頭筋は体重を支えるほど強い筋なので、検査者の手の力では段階5と4を区別できません。
Daniels では、立位で片脚の踵上げを何回繰り返せるかで段階5・4を判定します。
【ポイント】
段階5・4の抵抗は、運動と逆方向に、てこの腕が長くなる分節の遠位端へ加えるのが原則です。
足関節底屈だけは例外で、立位での片脚踵上げで判定することを押さえておきましょう。