21 歳の女性。
先天性の右上肢欠損。
上肢の写真 (別冊No. 2) を別に示す。
起こり得る 2 次性の障害で最もみられるのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
写真では右前腕が手関節付近の高さで丸く終わっており、手部が欠損しています。
上腕と肘関節、前腕の大部分は残っています。
先天性の欠損では、切断手術や神経の切離を受けていない点が後天性切断との大きな違いです。
左右の上肢の重さと使い方が非対称なため、体幹の姿勢に偏りが生じます。
【選択肢別解説】
1:× 幻肢痛は、後天的な切断で失った肢がまだあるように感じて痛むものです。
先天性欠損では失った肢の感覚記憶がないため、幻肢や幻肢痛はほとんど生じません。
2:× 神経腫は、切断手術で切離した神経の断端に形成される腫瘤です。
神経を切っていない先天性欠損では通常生じません。
3:○ 片側上肢の欠損では左右の重量や使い方の差から、体幹の姿勢が非対称になります。
成長期にこれが続くことで、二次的に側弯症を生じやすくなります。
4:× 断端浮腫は、切断術後の創傷治癒過程で断端にみられる浮腫です。
手術を受けていない先天性欠損ではみられません。
5:× 骨断端の過成長は、小児期に後天的な切断をした骨の断端が伸びて皮膚を突き破る合併症です。
先天性欠損では起こりにくく、本例の21歳はすでに骨の成長期を過ぎています。
【ポイント】
先天性欠損と後天性切断の違いを整理します。
幻肢・幻肢痛、神経腫、断端浮腫は手術による切断に伴う合併症です。
先天性欠損では、姿勢の非対称から生じる側弯や、健側の使い過ぎによる障害に注意します。