55歳の女性。
右利き。
脳梗塞による左片麻痺。
発症15日目のBrunnstrom法ステージは上肢Ⅲ、手指Ⅲ、下肢Ⅲ。
歩行中、左膝折れや反張膝はないが軽度の内反尖足を認める。
感覚障害および高次脳機能障害を認めない。
早期に移動能力を獲得するために最も適切な装具はどれか。
正答3
解説
正解は3です。
脳梗塞による片麻痺患者に、早期の歩行獲得に適した下肢装具を選ぶ問題です。
本例は下肢Brunnstromステージ(BRS)Ⅲで、膝折れも反張膝もなく、問題は軽度の内反尖足だけです。
膝関節の制御は不要で、足関節を中間位に保てば歩行が安定すると考えられます。
【選択肢別解説】
1:× 靴型装具は足部の変形や脚長差を補正するものです。
歩行中の内反尖足を足関節で制御する力は弱く、本例の第一選択にはなりません。
2:× 硬性膝装具は膝関節の動揺や膝折れを防ぐ装具です。
本例には膝折れや反張膝がなく、足関節を制御できないため適しません。
3:○ 短下肢装具(AFO)は足関節の内反と底屈を制御し、立脚期の安定と遊脚期のつま先のひっかかりを防ぎます。
膝の問題がなく内反尖足だけがある本例に最も適しています。
4:× 長下肢装具は、膝折れや強い膝の不安定性があり、膝関節を固定する必要がある場合に用います。
本例では膝の制御は不要で、過剰な装具は動きを妨げます。
5:× 骨盤帯付長下肢装具は、股関節まで制御が必要な対麻痺などに用いる装具です。
片麻痺で膝の問題もない本例には過剰です。
【ポイント】
片麻痺の下肢装具は、膝の制御が必要かどうかで長下肢装具と短下肢装具を選びます。
早期から長下肢装具で立位・歩行練習を行い、膝が安定すれば短下肢装具へ移行する流れも覚えておきます。