80 歳の男性。
入院リハビリテーション中に胸部不快感を訴えたため心電図を施行した。
入院時の心電図 (別冊No. 1A) と発作時の心電図 (別冊No. 1B) を別に示す。
考えられるのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
胸部不快感の発作時に記録した心電図と、入院時の心電図を比べて変化を読み取る問題です。
発作時にだけ一過性に現れる ST 変化は、心筋虚血すなわち狭心症を示します。
【選択肢別解説】
1:× 入院時(A)と比べ、発作時(B)では V2・V3 誘導の ST 部分が基線から持ち上がり、T 波へ続く形が変化しています。
したがって「著変なし」とはいえません。
2:× 発作時の心電図では、RR 間隔が入院時より短くなっています。
心拍数はむしろ増えており、徐脈の所見はありません。
3:○ 発作時の心電図では、V2・V3 などの胸部誘導で ST 部分の上昇がみられます。
入院時には目立たなかった変化が胸部不快感と同時に出現しており、一過性の心筋虚血と考えられます。
この経過は狭心症の発作として最も合致します。
4:× 心房細動では P 波が消えて細かな f 波となり、RR 間隔が全体にわたって不規則になります。
本例で発作時に新たに現れた主な変化は ST 部分の変化であり、心房細動では説明できません。
5:× 左室肥大は胸部誘導の高電位などが入院時から持続してみられる所見です。
発作時にだけ現れて消える変化ではないため、本例の経過とは合いません。
【ポイント】
狭心症は、発作時に ST 変化が出現し、発作がおさまると元に戻るのが特徴です。
リハビリテーション中の胸部症状では、運動を中止して心電図で ST 変化を確認します。