65歳の男性。
3年前から右手に振戦がみられるようになり、体の動きが固く、すくみ足がみられ、表情も乏しくなっていった。
日常生活の支障に対して作業療法が処方されたが、本人は何かと理由をつけてなかなか参加せず、無為に過ごす様子が目立ってきた。
この患者の治療方針を検討する際に、評価すべき精神医学的な合併症として最も重要なのはどれか。
正答1
解説
正解は1です。
振戦、筋固縮、すくみ足、仮面様顔貌から、Parkinson病が考えられる症例です。
作業療法への参加を避け、無為に過ごす様子は、意欲や気分の低下を示しています。
Parkinson病では、うつ病の合併が多いことが知られています。
【選択肢別解説】
1:○ Parkinson病では、ドパミンなどの神経伝達物質の変化により、うつ病がしばしば合併します。
うつ病は意欲低下や活動の回避につながり、リハビリテーションの効果に大きく影響します。
治療方針を決めるうえで最も重要な評価項目です。
2:× 解離性障害は、強いストレスで記憶や意識のまとまりが一時的に失われる障害です。
本例にその所見はなく、Parkinson病との関連も強くありません。
3:× 強迫性障害は、不合理とわかっている考えや行為を繰り返す障害です。
本例には強迫観念や強迫行為の記載がありません。
4:× 身体表現性障害は、身体疾患で説明できない身体症状が続く障害です。
本例の症状はParkinson病で説明できるので該当しません。
5:× 統合失調症は、幻覚や妄想などを特徴とする障害です。
本例には幻覚や妄想の記載がありません。
【ポイント】
Parkinson病の非運動症状には、うつ、アパシー(意欲の低下)、不安、認知機能障害、自律神経症状があります。
意欲低下をみたときは、うつとアパシーの両方を評価します。