50歳の女性。
末梢神経麻痺により、円回内筋、長掌筋、橈側手根屈筋、浅指屈筋、深指屈筋(示指・中指)、長母指屈筋、方形回内筋、短母指外転筋、短母指屈筋(浅頭)、母指対立筋、第1・2虫様筋が麻痺している。
適応する装具で正しいのはどれか。
2つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答2・3
解説
正解は2と3です。
麻痺筋の分布から損傷神経と高位を判断し、適した装具を選ぶ問題です。
円回内筋・橈側手根屈筋・浅指屈筋・長母指屈筋・母指球筋などが麻痺しており、正中神経の高位麻痺です。
一方、橈骨神経支配の手関節背屈筋は保たれています。
【選択肢別解説】
1:× 短対立装具(Bennett型)は手関節をまたがず、母指を対立位に保つ装具です。
手関節周囲の筋が保たれる正中神経の低位麻痺に用います。
2:○ 長対立装具(Rancho型)は手関節から母指までを支え、母指を対立位に保持します。
橈側手根屈筋なども麻痺した高位麻痺では手関節の安定も必要なため適応となります。
3:○ 手関節駆動型把持装具(RIC型)は、手関節背屈の力で母指と示指・中指をつまませる装具です。
本例は手関節背屈筋が保たれ、示指・中指の屈曲と母指の対立が失われているため、つまみ動作の再獲得に役立ちます。
4:× Thomas型装具は手関節と手指の伸展を補助する装具です。
橈骨神経麻痺による下垂手に用います。
5:× ナックルベンダーはMP関節の屈曲を補助する装具です。
尺骨神経麻痺などで生じる鷲手(MP関節の過伸展)に用います。
【ポイント】
正中神経は低位麻痺なら短対立装具、高位麻痺なら長対立装具と覚えます。
RIC型はC6頸髄損傷でも用いられる、手関節背屈を利用する把持装具です。