正答4
解説
正解は4です。
進行性核上性麻痺(PSP)は、中脳を中心とした脳幹や大脳基底核が変性する神経変性疾患です。
早期からの転倒、垂直方向の眼球運動障害、体幹に強い筋固縮、頸部の後屈、認知機能の低下などが特徴です。
【選択肢別解説】
1:× PSPで萎縮するのは、延髄ではなく中脳の被蓋です。
頭部MRIの正中矢状断で、中脳被蓋の萎縮がハチドリのくちばしのように見える所見が知られています。
2:× PSPにはL-Dopaがほとんど効きません。
L-Dopaがよく効くのはParkinson病で、両者を見分ける手がかりになります。
3:× PSPでは、頸部が前屈ではなく後屈(伸展)位になります。
頸部が前屈するのは、多系統萎縮症やParkinson病でみられやすい特徴です。
4:○ PSPでは、眼球を上下に動かす働きが障害され、特に下方を見ることが難しくなります。
垂直方向の眼球運動障害はPSPの代表的な症状です。
5:× MIBG心筋シンチグラフィーで心臓と縦隔の比が低下するのは、Parkinson病やLewy小体型認知症の特徴です。
PSPではこの比はおおむね保たれます。
【ポイント】
下方を見にくいため、PSPの患者は階段を下りるときや足元の確認が難しく、後方への転倒が多くなります。
作業療法では、転倒予防の環境調整と、視線を下げずに済む食事や作業の配置の工夫が大切です。