正答2
解説
正解は2です。
半年前の心電図では、上向きの大きなR波のあとST部分が基線上にあり、続いて上向きのT波がみられます。
今回の心電図では、上向きのR波がほとんど消えて深い下向きの波(QS型)となり、そのあとのST部分が基線より高く持ち上がってT波と一体化しています。
【選択肢別解説】
1:× 狭心症の発作時に典型的なのはST部分の低下で、発作がおさまると心電図はもとに戻ります。
今回の図は、R波が消えてQS型となりSTが上昇しており、心筋が壊死した変化を示します。
2:○ 異常Q波(QS型)とST上昇が新たに出現しており、心筋梗塞の所見です。
糖尿病の患者は神経障害のため典型的な胸痛を感じにくく、胸部不快感だけで受診することがあります。
半年前と比べて新しく生じた変化であることが診断の決め手です。
3:× 心房細動では、P波が消えて基線が細かく揺れる細動波(f波)がみられ、RR間隔が不規則になります。
今回の図では、QRS波がほぼ一定の間隔で並んでいます。
4:× 房室ブロックでは、PR間隔の延長や、P波のあとにQRS波が続かない脱落がみられます。
今回の図で目立つのはQRS波とST部分の形の変化です。
5:× 心室性期外収縮では、予定より早く幅の広いQRS波が単発で割り込みます。
今回の図では、すべての拍が同じ形をしています。
【ポイント】
心筋梗塞の心電図は、ST上昇、異常Q波の出現、冠性T波(陰性T波)の順に変化します。
糖尿病や高齢者では痛みの訴えが乏しい無痛性心筋梗塞が多いため、心電図を過去のものと比べることが重要です。