42 歳の女性。
多発性硬化症による両側視神経炎を伴う四肢麻痺。
筋力低下が進行し、移動には車椅子を使用している。
MMT は上肢近位部で段階3、遠位部で段階4。
有痛性けいれんがある。
この患者に対する作業療法で適切なのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
本症例は、多発性硬化症(MS:multiple sclerosis)による両側視神経炎で視力障害があり、四肢の筋力低下と有痛性けいれんがあります。
作業は、視覚への依存が少なく、軽い負荷で、疲労を調整しやすいものを選びます。
MS では体温上昇で症状が悪化する Uhthoff 現象にも配慮が必要です。
【選択肢別解説】
1:× ビーズで指輪を作るには、小さな穴に糸を通す細かな作業が必要です。
視神経炎による視力障害があるため、視覚への負担が大きく不適切です。
2:× 木工で本棚を作る作業は、のこぎりや金づちなどで大きな筋力と持久力を要します。
近位筋が段階3の本症例には負荷が強すぎ、疲労を招きます。
3:○ 卓上編み機は、机上で往復運動を繰り返して編む作業です。
細部を見続ける必要が少なく、負荷も軽く、途中で休憩をとりやすいため適切です。
4:× 小さな刻印で革に模様をつける作業は、細かな位置合わせを目で確認しながら行います。
視力障害のある本症例には難しく、木づちで打つ動作も負担になります。
5:× ネット手芸は、網目に毛糸を通す細かな作業で、目で網目を追い続ける必要があります。
視力障害のある本症例には不適切です。
【ポイント】
MS の作業療法では、視力障害・易疲労性・Uhthoff 現象への配慮が基本です。
作業選択は「視覚依存が少ない」「軽負荷」「休憩をとりやすい」の3点で考えましょう。