66歳の男性。
要介護1となり介護老人保健施設に入所した。
入所1週後、作業療法士によるリハビリテーションを行うために機能訓練室に来室した際、動作の緩慢さと手指の振戦が観察された。
妻は本人が中空に向かって「体操服姿の小学生がそこにいる」と言うのを心配していた。
本人に尋ねると、見えた内容について具体的に語っていた。
疾患として考えられるのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
動作の緩慢さと振戦というパーキンソニズムに、具体的で生々しい幻視が組み合わさった高齢男性の事例です。
この組み合わせはLewy小体型認知症の中核的な特徴です。
【選択肢別解説】
1:× Creutzfeldt-Jakob病は急速に進行する認知症にミオクローヌスを伴う疾患です。
数か月で寝たきりになる経過が典型で、本例とは合いません。
2:× Alzheimer型認知症の初期症状は近時記憶障害です。
初期から鮮明な幻視やパーキンソニズムが目立つことは少ないです。
3:○ Lewy小体型認知症では、人や小動物が見える具体的な幻視が繰り返し起こります。
パーキンソニズムや認知機能の変動も中核的特徴で、本例と一致します。
4:× 意味性認知症は言葉の意味や物の名前がわからなくなる疾患です。
幻視やパーキンソニズムは特徴ではありません。
5:× 正常圧水頭症の三徴は歩行障害、認知障害、尿失禁です。
具体的な幻視は特徴ではありません。
【ポイント】
Lewy小体型認知症の中核的特徴は「認知機能の変動、具体的な幻視、パーキンソニズム、レム睡眠行動障害」です。
抗精神病薬に過敏に反応しやすい点も臨床上の注意点です。