65 歳の女性。
元来、几帳面な性格だが友人も多く活動的に過ごしていた。
3か月前に、自宅のリフォームを契機に、早朝覚醒、食思不振、抑うつ気分や意欲低下が生じ、友人とも会わないようになった。
自宅で自殺を企図したが未遂に終わり、 1か月前に家族が精神科を受診させ、即日医療保護入院となった。
単独散歩はまだ許可されていないが、抗うつ薬による治療で抑うつ気分は改善傾向にあり、病棟での軽い体操プログラムへの参加を看護師から勧められて、初めて参加した。
この時点での患者に対する作業療法士の関わりで適切でないのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
この問題は適切でないものを選ぶので、○ が答え(適切でない関わり)です。
患者はうつ病の回復初期にあり、自殺企図の既往もあります。
この時期は、負担や焦りを与えずに安心できる体験を積み重ねることが作業療法の目標です。
【選択肢別解説】
1:× 必要に応じて不安を受け止めることは、回復初期の患者に安心感を与えます。
適切な関わりなので答えではありません。
2:× うつ病の回復初期は疲れやすく、刺激に敏感です。
過刺激を避けて短時間で行うことは適切です。
3:× 体操など身体を使う具体的な体験は、自分の身体や周囲への現実感を取り戻す助けになります。
適切な関わりです。
4:○ 毎回の達成目標を明確に設定すると、達成できなかったときに自責感や焦りが生じます。
回復初期のうつ病患者には負担となり、自殺の危険を高めるおそれもあるため適切ではありません。
5:× 抗うつ薬には口渇・便秘・ふらつき・眠気などの副作用があります。
作業中の様子から副作用を観察することは適切です。
【ポイント】
うつ病の回復初期の作業療法は「短時間・低負荷・達成を求めない・失敗させない」が原則です。
回復期の初めは自殺の危険が高まりやすいことにも注意します。