正答4
解説
正解は4です。
頭部MRIのT2強調像から、正常圧水頭症(NPH)に特徴的な所見を見分ける問題です。
T2強調像では脳脊髄液が白く(高信号に)描出されます。
NPHでは脳室が拡大する一方、高位円蓋部の脳溝は狭くなるのが特徴です。
【選択肢別解説】
1:× ①は左被殻部に黒い低信号域があり、出血後の変化(脳出血)を示す像です。
脳室の拡大はみられず、水頭症の所見ではありません。
2:× ②は左前頭葉から島回にかけて皮質を含む高信号域があり、左中大脳動脈領域の脳梗塞を示す像です。
脳室の拡大はみられません。
3:× ③は側脳室が拡大していますが、脳溝やくも膜下腔も全体に広く開いています。
これは脳実質の萎縮に伴って二次的に脳室が広がった状態であり、NPHとは区別されます。
4:○ ④は側脳室が著明に拡大している一方で、脳表の脳溝は狭く詰まって見えます。
脳室周囲にはやや高信号の帯もみられ、脳室拡大と脳溝の狭小化が不釣り合いな、NPHに典型的な像です。
5:× ⑤は脳室の大きさも脳溝の幅も正常範囲であり、正常な頭部MRIです。
【ポイント】
NPHの三徴は歩行障害・認知障害・尿失禁です。
脳萎縮では「脳室も脳溝も広い」のに対し、NPHでは「脳室は広いのに円蓋部の脳溝は狭い」ことが鑑別の要点です。
シャント術で症状が改善しうる、治療可能な認知症として重要です。