16歳の女子。
6か月前から特にきっかけはないのに次第に手洗いと入浴の時間が長くなった。
1か月前から手洗いに1時間半以上を使う状況となり、自分でもおかしいと感じるようになった。
母親が途中でやめさせると余計に不安になり、最近ではやめさせようとすると反発して暴言を吐くようになった。
そのため父親が本人を説得して精神科を受診した。
作業療法中にたびたび手洗いを続けている。
対応として最も適切なのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
強迫行為は、強い不安を一時的に和らげるための行動です。
作業療法の場で無理に止めたり、急に不安の原因に直面させたりすると、不安と抵抗が強まり、治療関係も損なわれます。
作業療法では行動を責めずに見守り、本人が作業に戻るのを待つことで、安心できる場と作業への関心を保ちます。
【選択肢別解説】
1:× 手を汚す作業は、不安を引き起こす刺激に直面させることになります。
曝露反応妨害法のように、本人の同意と治療計画のもとで段階的に行うべきもので、作業療法の場で突然促すのは不適切です。
2:× 作業療法を中断すると、作業を通じて不安から注意をそらし、達成感を得る機会が失われます。
症状があっても参加を続けられるよう支えるのが基本です。
3:× 本人は手洗いが不合理だとわかっていても、やめられない状態です。
理由を問いただすような話し合いは、自責感や不安を強めるため適切ではありません。
4:○ 手洗いを否定せずに見守り、本人のペースで作業に戻るのを待つ対応です。
不安を高めず、作業療法の場が安心できる場であり続けるため、最も適切です。
5:× 蛇口を閉めて強制的に止めると、不安が急に高まり、反発や暴言を招きます。
本例では止めようとすると暴言が出ていることからも、不適切です。
【ポイント】
強迫行為への対応は、無理に止めない、責めない、巻き込まれない、が原則です。
症状そのものの改善は、薬物療法や曝露反応妨害法などの専門的な治療と連携して進めます。