正答1
解説
正解は1です。
H-E染色標本の組織構造から臓器を同定する問題です。
別冊No.10では、表面を単層の円柱上皮が覆い、表面から浅いくぼみ(腺窩)が落ち込んでいます。
その下には、まっすぐな管状の腺が粘膜の深部まで密に並んでいます。
腺を作る細胞は、赤く明るい細胞質の細胞と、やや青紫色の細胞が混在しています。
粘膜の最下部には薄い粘膜筋板がみられます。
腺窩上皮の下に壁細胞と主細胞からなる胃底腺が並ぶ像であり、胃の粘膜です。
【選択肢別解説】
1:○ 胃底部・胃体部の粘膜は、表層の腺窩上皮と、壁細胞(好酸性)・主細胞(好塩基性)からなる胃底腺で構成されます。
図の所見と一致します。
2:× 食道の粘膜表面は重層扁平上皮で覆われ、粘膜内に図のような管状腺は密に並びません。
3:× 大腸の粘膜は杯細胞に富む陰窩(腺管)が試験管を立てたように並びます。
図の腺は杯細胞ではなく、赤い細胞質の壁細胞が主体です。
4:× 肺は薄い壁の肺胞が網目状に広がる組織です。
図のような上皮と密な管状腺の構造はありません。
5:× 膀胱の粘膜表面は尿路上皮(移行上皮)で覆われ、粘膜内に腺はみられません。
【ポイント】
臓器同定では、まず表面の上皮の種類を確認します。
重層扁平上皮なら食道、腺窩と胃底腺なら胃、杯細胞の多い陰窩なら大腸、尿路上皮なら膀胱が手がかりです。