正答1
解説
正解は1です。
運動神経伝導検査では、遠位潜時・伝導速度・複合筋活動電位〈CMAP〉の振幅と波形を評価します。
この問題は図で認められない所見を選ぶので、○ が答え(図にみられない所見)です。
図の所見を確認します。
手関節刺激では、患者波形の立ち上がりは破線の正常波形とほぼ同時で、遠位潜時は延長していません。
一方、振幅は正常より小さくなっています。
肘窩刺激では、振幅が手関節刺激よりさらに小さくなっています。
腋窩刺激では、波形の立ち上がりが正常より遅れています。
さらに振幅が著しく小さく、波形が平たく引き伸ばされて多相性になっています。
【選択肢別解説】
1:○ 遠位潜時延長は認められないため、誤りです。
手関節刺激での波形の立ち上がりは正常波形とほぼ同じ時点です。
2:× 伝導速度低下は認められます。
近位で刺激するほど正常波形より立ち上がりの遅れが目立ち、伝導速度の低下を示します。
3:× 伝導ブロックは認められます。
遠位刺激に比べて近位刺激でCMAP振幅が大きく低下しており、途中で伝導が途絶えている線維があることを示します。
4:× 異常な時間的分散は認められます。
腋窩刺激の波形が延長して多相性になっており、線維ごとに伝導速度が不均一であることを示します。
5:× CMAP振幅低下は認められます。
すべての刺激部位で、患者波形の振幅は正常波形より小さくなっています。
【ポイント】
伝導ブロックと異常な時間的分散は、慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチーなどの脱髄性疾患の特徴です。
遠位潜時の延長は手根管症候群などの遠位部での障害でみられます。