正答2
解説
正解は2です。
写真は術中迅速診断用の凍結切片のH-E染色像です。
矢印の部位では、核の中に円形から不整形の白く抜けた空隙がみられます。
これは組織中の水分が凍るときに大きな氷の結晶ができ、核や細胞質を押し広げた跡で、氷晶(アイスクリスタル)によるアーチファクトです。
【選択肢別解説】
1:× 組織採取の段階で生じやすいのは、鉗子などで組織がつぶれる挫滅です。
核内に空隙を作る変化ではありません。
2:○ 凍結が遅いと、組織内の水分が大きな氷晶となって細胞構造を壊します。
そのため核内や細胞質に白い空隙が残ります。
3:× 薄切の段階で生じやすいのは、切片の厚さのむら、裂け目、しわ、刃こぼれによる線状の傷です。
核内の空隙は生じません。
4:× 固定は凍結切片を作った後に行う工程です。
固定不良では染色性の低下や細胞の膨化が起こりますが、氷晶による空隙は生じません。
5:× 染色の段階では、色素の沈着や染まりむら、染色不良が生じます。
核内の空隙は生じません。
【ポイント】
氷晶の形成を防ぐには、イソペンタン-液体窒素やドライアイス-アセトンなどで組織をすばやく凍結します。
包埋剤(OCTコンパウンド)で組織を包み、乾燥や気泡の混入を避けることも大切です。