髄膜炎が疑われる患者の髄液を5%ヒツジ血液寒天培地(左)とチョコレート寒天培地(右)の分画培地で35℃、24時間、炭酸ガス培養した写真(別冊No.10)を別に示す。
髄液のGram染色では、多数の好中球と共にGram陽性球菌が認められた。
分離菌はBTB乳糖寒天培地に発育せず、カタラーゼ試験陰性、オプトヒンに感性を示した。
推定される菌種はどれか。
正答5
解説
正解は5です。
別冊No.10の分画培地では、左の5%ヒツジ血液寒天培地と右のチョコレート寒天培地の両方に、小型で光沢のある灰白色〜半透明のコロニーが発育しています。
血液寒天培地のコロニーは周囲がわずかに暗緑色を帯び、溶血は不完全なα溶血の様相です。
これに、髄液のGram陽性球菌、BTB乳糖寒天培地での発育なし、カタラーゼ陰性、オプトヒン感性という性状を合わせて菌種を絞り込みます。
【選択肢別解説】
1:× Listeria monocytogenesは球菌ではなく、Gram陽性の短桿菌です。
カタラーゼも陽性で、オプトヒンの感性は鑑別に用いません。
2:× Neisseria meningitidisはGram陽性ではなく、Gram陰性の双球菌です。
オキシダーゼとカタラーゼが陽性です。
3:× Staphylococcus aureusはカタラーゼ陰性ではなく陽性です。
血液寒天培地では黄色〜白色のコロニーとβ溶血を示します。
4:× Streptococcus agalactiaeはカタラーゼ陰性の連鎖球菌ですが、β溶血を示し、オプトヒンには耐性です。
新生児髄膜炎の主要な原因菌です。
5:○ Streptococcus pneumoniaeと推定されます。
カタラーゼ陰性のGram陽性球菌で、α溶血を示し、オプトヒンに感性であることが本菌の決め手です。
グラム染色では莢膜をもつランセット形の双球菌としてみられます。
【ポイント】
α溶血を示すレンサ球菌のうち、オプトヒン感性と胆汁溶解陽性を示すのが肺炎球菌です。
緑色レンサ球菌(viridans group)はオプトヒン耐性で区別できます。