血液培養が陽性となったため、ボトル内容液のGram染色〈Huckerの変法〉と墨汁法を実施した。
染色標本(別冊No. 10)を別に示す。
推定される菌が形成するのはどれか。
正答1
解説
正解は1です。
血液培養陽性ボトルの塗抹標本から、原因菌を推定する問題です。
Gram染色と墨汁法の所見を組み合わせて判断します。
左のGram染色では、グラム陽性に濃い紫色に染まる、大きさの不ぞろいな円形の菌体が集まっています。
細菌の球菌より大きく、酵母様真菌と考えられます。
右の墨汁法では、黒い背景の中に、円形の菌体の周囲が白く抜けた透明な帯(ハロー)が明瞭にみられます。
これは墨汁の粒子が入り込めない厚い莢膜を示しており、Cryptococcus neoformansが推定されます。
【選択肢別解説】
1:○ クリプトコックスは多糖体からなる厚い莢膜をもち、墨汁法で菌体の周囲が白く抜けて見えます。
図の所見と一致します。
2:× 発芽管は、血清中で培養したときにCandida albicansが形成する管状の構造です。
クリプトコックスは形成しません。
3:× 真性菌糸は、アスペルギルスなどの糸状菌が形成する隔壁をもつ菌糸です。
クリプトコックスは形成しません。
4:× 厚膜胞子は、コーンミール寒天培地などでCandida albicansが形成する厚い壁の胞子です。
クリプトコックスは形成しません。
5:× 分節胞子は、菌糸が節ごとに切れてできる胞子で、トリコスポロンなどが形成します。
クリプトコックスは形成しません。
【ポイント】
クリプトコックスは「墨汁法で莢膜、ウレアーゼ陽性、髄膜炎の原因」が要点です。
Candida albicansの「発芽管と厚膜胞子」と対比して覚えましょう。