遊離グリセロール濃度が5 mg/dLの血清を試料として、グリセロール非消去法でトリグリセライドを測定したところ200 mg/dLであった。
この血清をグリセロール消去法で測定した場合のトリグリセライド値[mg/dL]に最も近いのはどれか。
ただし、オレイン酸とグリセロールの分子量をそれぞれ282、92とする。
正答1
解説
正解は1です。
グリセロール非消去法では、トリグリセライド〈TG〉を分解して生じたグリセロールと、もともと血清中にある遊離グリセロールの両方を測ります。
そのため、遊離グリセロールの分だけTGが高く測定されます。
グリセロール消去法では遊離グリセロールを除くので、その分を差し引いた値になります。
TGはトリオレインとして換算するため、遊離グリセロールをトリオレイン相当量に直して差し引きます。
【計算】
トリオレインの分子量は、問題で与えられた数値から求めます。
トリオレインの分子量 = グリセロール + オレイン酸×3
= 92 + 282×3
= 938
遊離グリセロールのTG換算値 = 5 mg/dL × 938 ÷ 92
≒ 51 mg/dL
グリセロール消去法でのTG = 200 − 51
≒ 149 mg/dL
厳密にはエステル結合で水3分子が抜けるため、分子量は約884、差し引く量は約48 mg/dLになります。
この場合の結果は約152 mg/dLで、やはり選択肢の中で最も近いのは149 mg/dLです。
【選択肢別解説】
1:○ 遊離グリセロールのTG換算分約51 mg/dLを差し引くと149 mg/dLとなり、計算値と一致します。
2:× 182は約18 mg/dLを差し引いた値です。
遊離グリセロールのTG換算量である約51 mg/dLと合わず、換算が正しくありません。
3:× 185は差し引く量が15 mg/dLで、遊離グリセロール5 mg/dLを3倍しただけに相当します。
分子量による換算が正しくありません。
4:× 195は遊離グリセロール5 mg/dLをそのまま差し引いた値です。
TGへの換算を行っていない点が誤りです。
5:× 198は差し引く量が2 mg/dLしかなく、遊離グリセロールの影響をほとんど考慮していません。
【ポイント】
遊離グリセロールは重量でそのまま引かず、「トリオレインの分子量÷グリセロールの分子量(約10倍)」をかけてから差し引きます。