正答1
解説
正解は1です。
酸塩基平衡の判定は、まずpHでアシドーシスかアルカローシスかを決めます。
次にPaCO₂とHCO₃⁻のどちらがpHの変化を説明するかで、一次性の異常を決めます。
【計算】
基準値はpH 7.35〜7.45、PaCO₂ 35〜45 Torr、HCO₃⁻ 22〜26 mEq/Lです。
pH 7.33は7.35未満なので、アシドーシスです。
PaCO₂ 60 Torrは上昇しており、CO₂の蓄積はpHを下げる方向に働くので、一次性の変化です。
HCO₃⁻ 31 mEq/Lの上昇はpHを上げる方向に働くので、腎による代償です。
慢性呼吸性アシドーシスの代償予測式は、ΔHCO₃⁻=0.35×ΔPaCO₂です。
ΔPaCO₂=60-40=20 Torrを代入すると、ΔHCO₃⁻=0.35×20=7 mEq/Lです。
予測されるHCO₃⁻は24+7=31 mEq/Lとなり、実測値と一致します。
【選択肢別解説】
1:○ PaCO₂の上昇によるアシドーシスで、HCO₃⁻の上昇は予測どおりの腎性代償です。
慢性の呼吸性アシドーシスと判断できます。
2:× 混合性アシドーシスでは、PaCO₂が上昇し、同時にHCO₃⁻も低下します。
本例はHCO₃⁻が上昇しているので当てはまりません。
3:× 代謝性アシドーシスでは、一次性にHCO₃⁻が低下し、代償でPaCO₂も低下します。
本例はどちらも上昇しているので誤りです。
4:× 呼吸性アルカローシスでは、PaCO₂が低下してpHが上昇します。
本例はPaCO₂が上昇しpHが低下しているので誤りです。
5:× 代謝性アルカローシスでもHCO₃⁻は上昇しますが、pHは上昇します。
本例のpHは7.33と低下しているので誤りです。
【ポイント】
pHとPaCO₂が逆向きに動けば呼吸性、pHとHCO₃⁻が同じ向きに動けば代謝性と判断します。
COPDなどの慢性呼吸不全でよくみられるパターンです。