正答4
解説
正解は4です。
脂肪便は、脂肪の消化または吸収が障害されて便中に脂肪が多量に排泄される状態です。
脂肪の消化に最も重要な酵素は膵リパーゼなので、膵外分泌機能が低下する疾患で起こりやすくなります。
【選択肢別解説】
1:× 肝硬変の主な症状は黄疸、腹水、肝性脳症、食道静脈瘤などです。
胆汁分泌の低下で軽い脂肪吸収障害が起こることはありますが、脂肪便の代表的な原因ではありません。
2:× 大腸癌でみられるのは血便、便通異常(便秘や下痢)、便が細くなるといった症状です。
脂肪の消化吸収には関係しないため、脂肪便は起こりません。
3:× 食道潰瘍の症状は胸やけ、嚥下時の痛み、吐血などです。
消化管の上部の病変で、脂肪の消化吸収は障害されません。
4:○ 慢性膵炎では膵臓の線維化が進み、膵外分泌機能が低下します。
リパーゼの分泌が大きく減ると脂肪を分解できなくなり、脂肪便が出現します。
5:× 胃粘膜下腫瘍(GISTなど)は無症状のことが多く、症状が出る場合は出血や腹部腫瘤です。
脂肪の消化吸収は障害されず、脂肪便は起こりません。
【ポイント】
脂肪便の原因は、膵外分泌不全(慢性膵炎、膵癌、膵切除後)、胆汁の不足(閉塞性黄疸)、小腸の吸収障害に分けて整理します。
便のズダンⅢ染色で脂肪滴が多数みられれば脂肪便と判断できます。