64 歳の男性。
第6 頸髄損傷(AIS A)の診断で回復期リハビリテーション病棟に入院して治療が行われている。
リハビリテーション治療前の問診で頭痛の訴えがあり、顔面紅潮、発汗を認めた。
血圧を測定したところ、220/100 mmHg であった。
この状態で適切なのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
第6頸髄損傷で、頭痛、顔面紅潮、発汗、著しい高血圧がみられることから、自律神経過反射と考えます。
自律神経過反射は、損傷部以下の刺激によって交感神経が過剰に反応し、血圧が急上昇する状態です。
第6胸髄より高位の損傷で起こります。
【選択肢別解説】
1:× 血圧の急上昇を圧受容器が感知し、迷走神経を介して反射的に徐脈となるのが典型です。
頻脈ではありません。
2:× 臥位にすると血圧がさらに上がるおそれがあります。
正しくは座位にして頭部を挙上し、下肢を下げて血圧を下げます。
3:× 放置すると脳出血やけいれんなど重篤な合併症を生じることがあります。
緊急の対応が必要な状態です。
4:○ 最も多い誘因は、膀胱の充満(尿閉やカテーテルの閉塞)や便秘などの膀胱直腸の刺激です。
まず排尿・排便状況を確認し、誘因を取り除くことが対処の基本です。
5:× 腰髄損傷では、内臓の交感神経を支配する胸髄の上位中枢からの制御が保たれています。
そのため自律神経過反射は起こりにくく、第6胸髄より高位の損傷で問題となります。
【ポイント】
自律神経過反射は「高血圧・徐脈・頭痛・損傷部より上の紅潮と発汗」が特徴です。
対応は座位にして血圧を下げ、尿閉・便秘・きつい衣類などの誘因を除去します。