80 歳の男性。
食道癌に対する開胸手術翌日で、経口挿管人工呼吸管理中。
鼠径部から高用量の昇圧剤を投与して血圧の安定に努めている。
理学療法で最も適切なのはどれか。
正答5
解説
正解は5です。
本症例は開胸手術の翌日で、人工呼吸管理中であり、高用量の昇圧薬で血圧を維持しています。
高用量の昇圧薬を要する循環不安定な状態では、能動的な離床や運動は控えるのが原則です。
患者の努力を要さず、循環への負担が小さい介入を選びます。
【選択肢別解説】
1:× 能動的座位練習は、循環動態が安定してから進める段階的な離床です。
高用量の昇圧薬を要する現在は、起立性の血圧低下を招く危険があり適しません。
2:× 呼吸筋トレーニングは、人工呼吸器からの離脱が課題となる時期などに検討します。
術翌日で循環が不安定な時期に優先する介入ではありません。
3:× 非上肢支持持久性運動は、COPD患者などで行う上肢の持久力トレーニングです。
能動的な運動で酸素消費が増えるため、本症例には不適切です。
4:× 股関節伸展の可動域運動には側臥位や腹臥位などへの体位変換が必要です。
循環変動を招くうえ、鼠径部のカテーテルの屈曲や抜去の危険もあり、適しません。
5:○ 神経筋電気刺激(NMES)は、電気刺激で筋収縮を起こし、筋萎縮の予防をねらう方法です。
患者の努力を必要とせず、ベッド上で循環への負担を抑えて実施できます。
【ポイント】
集中治療室での早期リハビリテーションでは、昇圧薬の量や循環の安定性で開始や中止を判断します。
能動運動ができない時期の筋萎縮予防として、NMESが選択肢になります。