80 歳の女性。
夫と2人暮らし。
認知症があり、MMSE は 13 点。
自宅にて転倒し、救急搬送され大腿骨頸部骨折と診断されて人工骨頭置換術が行われた。
その後、回復期リハビリテーション病棟へ転棟し、理学療法を開始したが消極的である。
理学療法中の患者の訴えへの返答で適切なのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
認知症(MMSE 13点、中等度)の患者に対する、理学療法中のコミュニケーションを問う問題です。
基本は、患者の訴えを否定せずに受け止め(受容)、気持ちに寄り添う(共感)ことです。
【選択肢別解説】
1:× 「さっきも答えましたよ」は、記憶障害を指摘して患者の自尊心を傷つけます。
同じ質問でも初めてのように丁寧に答えます。
2:○ 「帰りたいですね」と気持ちを受け止めると、患者は理解されたと感じて安心します。
帰宅願望には否定や説得ではなく共感で応じます。
3:× 術部の痛みの訴えを「我慢してください」と退けるのは不適切です。
運動を中止・調整し、痛みの原因を確認します。
4:× 「やらないと歩けなくなりますよ」は脅しになり、不安や拒否を強めます。
理由を聞き、内容や時間を調整します。
5:× 物盗られ妄想に対して叱るような返答は、混乱や不信感を強めます。
まず訴えを受け止め、一緒に探すなどの対応をとります。
【ポイント】
認知症の行動・心理症状への対応は「否定しない・叱らない・説得しない」が原則です。
訴えの背景にある不安を受け止めることで、リハビリテーションへの参加も得やすくなります。