70歳の男性。
脳梗塞による左片麻痺。
線分抹消検査では紙面の左下方の線分抹消が行えず、車椅子駆動時には左側を壁にぶつけることがあった。
理学療法として適切なのはどれか。
正答5
解説
正解は5です。
左片麻痺で線分抹消検査の左側の見落としと、車椅子駆動時の左側の衝突があります。
これは左半側空間無視の所見です。
左半側空間無視の治療として、プリズム順応療法などが用いられます。
【選択肢別解説】
1:× 半側空間無視では、注意を無視側へ向けることが治療の基本です。
右側からの聴覚刺激は、注意をさらに右へ引き付けてしまいます。
2:× 頸部筋への振動刺激は、無視側である左後頸部に行うと効果が報告されています。
右後頸部への刺激では、注意を左へ向ける効果は期待できません。
3:× 体幹を左へ回旋させて、左空間へ注意を向けることが治療として用いられます。
体幹を右に回旋させると、注意は右へ偏ってしまいます。
4:× 手がかりを与えながら行う視覚探索は、右側の標的から左側へ視線を移すように練習します。
左側の標的を右へ移動させても、左空間への注意は促されません。
5:○ 視野が右へずれるプリズム眼鏡をかけてリーチを繰り返すと、腕の動きが左方向へ修正されて適応が起きます。
眼鏡を外した後も空間の認知が左方向へ補正され、無視の改善が期待できます。
【ポイント】
半側空間無視の治療は、無視側へ注意を向ける方向で考えます。
プリズム順応療法、左後頸部への振動刺激、体幹の左回旋、視覚探索練習などが代表的です。