10歳の男児。
Duchenne 型筋ジストロフィー。
独歩不可能で、屋外は車椅子で、室内では四つ這い移動が可能。
上肢に拘縮はなく、座位で上肢の使用が可能である。
この時期に優先して行うべき評価はどれか。
正答4
解説
正解は4です。
Duchenne型筋ジストロフィーは、10歳前後で歩行不能となり、その後に呼吸筋の筋力低下が進みます。
歩行不能となった時期には、呼吸不全の早期発見のための評価を優先します。
【選択肢別解説】
1:× 知能検査で知的障害の有無を把握することは意味がありますが、病期の進行に応じて優先する評価ではありません。
歩行不能期に生命予後へ直結するのは呼吸機能です。
2:× 筋ジストロフィーでは深部腱反射は低下しますが、評価の優先度は高くありません。
反射の変化からは治療方針を決める情報が得られにくいためです。
3:× 神経伝導速度は末梢神経障害の評価に用います。
筋ジストロフィーは筋自体の疾患で、神経伝導速度は原則として正常です。
4:○ 歩行不能となる時期から呼吸筋力が低下し、肺活量が年々減少していきます。
肺活量や咳の最大流量などを定期的に評価し、排痰や非侵襲的陽圧換気療法の導入時期を判断します。
5:× 前腕回内外試験は協調運動の検査で、主に小脳失調の評価に用います。
筋ジストロフィーの病期評価には用いません。
【ポイント】
Duchenne型筋ジストロフィーの死因は、かつては呼吸不全が多く、現在は心不全も重要です。
歩行不能期以降は呼吸機能と心機能の定期評価が欠かせません。