30歳の男性。
スキーで転倒して受傷した。
エックス線写真(別冊No. 1)を別に示す。
肩脱臼整復後に肩関節内転・内旋位で固定されたが、上腕の外側上部に感覚鈍麻を訴えた。
合併症の神経麻痺はどれか。
正答1
解説
正解は1です。
肩関節脱臼に合併する神経麻痺を、感覚障害の部位から判断する問題です。
エックス線写真では、上腕骨頭が関節窩から外れ、烏口突起の下方(前下方)へ偏位しています。
これは肩関節の前方脱臼の所見です。
上腕外側上部の感覚鈍麻は、腋窩神経の皮枝である上外側上腕皮神経の領域にあたります。
【選択肢別解説】
1:○ 腋窩神経は上腕骨外科頸の後方を回って三角筋と小円筋に分布します。
前方脱臼で骨頭が前下方へずれると伸ばされて損傷しやすく、上腕外側上部の感覚障害を生じます。
2:× 肩甲上神経は棘上筋と棘下筋を支配する運動神経が主体です。
上腕外側の皮膚感覚は担いません。
3:× 肩甲下神経は肩甲下筋と大円筋を支配する運動神経です。
上腕外側の感覚障害は生じません。
4:× 尺骨神経の感覚領域は小指と環指の尺側半分、手の尺側です。
上腕外側上部ではありません。
5:× 正中神経の感覚領域は母指から環指の橈側半分の掌側です。
上腕外側上部ではありません。
【ポイント】
肩関節前方脱臼と上腕骨外科頸骨折では腋窩神経麻痺が代表的な合併症です。
三角筋の筋力低下と、肩の外側の「ワッペン状」の感覚低下で疑います。