胸部CT(別冊No. 3)を別に示す。
矢印の所見はどれか。
正答2
解説
正解は2です。
胸部CTは大動脈弓の高さの横断像で、画面の左が患者の右です。
矢印は右胸腔の背側(下側)にあり、胸壁に沿って三日月状に広がる、均一でやや低い濃度の領域を指しています。
肺との境界は滑らかで、重力のかかる背側にたまっていることから、胸水と判断できます。
【選択肢別解説】
1:× 肺炎では、肺の内部に浸潤影がみられ、中に空気の通った気管支が見えることがあります。
矢印の所見は肺の外側で胸壁に沿っており、肺実質の病変ではありません。
2:○ 液体は重力で背側にたまるため、仰臥位のCTでは胸腔の背側に三日月状の均一な濃度域として写ります。
矢印の所見はこの特徴に一致し、胸水です。
3:× 肺癌は、肺の中に辺縁が不整な結節や腫瘤として写るのが典型です。
胸壁に沿って三日月状に広がる均一な濃度域ではありません。
4:× 肺塞栓は、造影CTで肺動脈の中に造影されない欠損(血栓)として写ります。
矢印は肺動脈ではなく胸腔の背側を指しています。
5:× 心嚢液貯留は、心臓を取り囲むように液体の層がみられる所見です。
矢印は心臓の周囲ではなく、右の背側の胸壁に沿った部分を指しています。
【ポイント】
CTの横断像は足側から見た図で、画面の左が患者の右です。
胸水は仰臥位で背側に三日月状にたまり、体位で移動する点が腫瘤との見分け方です。