65歳の女性。
慢性心不全。
自宅でめまいと失神発作とを認めたため来院した。
来院時の心電図(別冊No. 4)を別に示す。
この患者にみられるのはどれか。
正答5
解説
正解は5です。
慢性心不全の患者がめまいと失神を起こしたときの心電図を判読する問題です。
心電図では、P波はほぼ一定の間隔で規則的に出ています。
QRS波はそれより遅い間隔で出ており、P波との時間関係がばらばらです。
P波の後にQRS波が続かない箇所が多く、心房と心室が別々に興奮しています。
【選択肢別解説】
1:× 洞性頻脈は、正常なP波・QRS波が1対1で並び、心拍数が100回/分を超える状態です。
本例はP波とQRS波が対応しておらず、心室の拍動はむしろ遅いです。
2:× 心室頻拍は、幅の広いQRS波が速い頻度で連続する不整脈です。
本例のQRS波は少なく、頻拍ではありません。
3:× 心室期外収縮は、基本調律の途中に幅の広いQRS波が早いタイミングで割り込むものです。
本例は基本調律そのものでP波とQRS波が解離しています。
4:× Ⅰ度房室ブロックは、PR間隔が0.20秒を超えて延長しますが、P波の後に必ずQRS波が続きます。
本例はQRS波が続かないP波が多く、Ⅰ度ではありません。
5:○ Ⅲ度(完全)房室ブロックは、心房の興奮が心室へまったく伝わらない状態です。
P波とQRS波がそれぞれ独自のリズムで出現し、PR間隔は一定しません。
心拍数が下がり、脳血流低下によるめまいや失神(Adams-Stokes発作)を起こします。
【ポイント】
房室ブロックは、Ⅰ度がPR延長、Ⅱ度がQRSの脱落、Ⅲ度がP波とQRS波の完全な解離です。
失神を伴う完全房室ブロックは、ペースメーカー植込みの適応になります。