19 歳の男性。
オートバイ事故による頭部外傷で入院加療中。
受傷後 1 か月。
JCS(Japan coma scale)はⅠ-1。
右上下肢はよく動かすが、左上下肢の筋緊張は亢進し、上肢屈曲位、下肢伸展位の姿勢をとることが多い。
座位保持は可能であるが、体幹の動揺がみられる。
この時期の理学療法で適切なのはどれか。
2 つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答3・4
解説
正解は3と4です。
頭部外傷後1か月で、意識はほぼ清明(JCS Ⅰ-1)です。
左上下肢に痙縮があり、上肢屈曲・下肢伸展の姿勢をとりやすく、座位は保てるものの体幹が動揺します。
この段階に合った運動療法を選ぶ問題です。
【選択肢別解説】
1:× 座位でも体幹が動揺する段階で、介助なしにT字杖で歩くのは転倒の危険が高いです。
まずは立位バランスを獲得し、介助や平行棒内での歩行から始めます。
2:× Frenkel体操は、視覚で代償しながら協調性を練習する方法で、主に脊髄癆などの感覚性運動失調に用います。
本例の主な問題は左側の痙縮と麻痺であり、適応ではありません。
3:○ 下肢は伸展位をとりやすく、下腿三頭筋などが短縮しやすい状態です。
座位で左下肢の筋を持続的に伸張すると、痙縮を抑え、拘縮を予防できます。
4:○ 座位が保てるようになった段階なので、次の目標は立位での姿勢保持です。
平行棒内などで安全を確保しながら立位バランスを練習するのは、この時期に適しています。
5:× 階段を降りる動作は、立位バランスと下肢の支持性が十分に必要な応用動作です。
座位でも体幹が動揺する時期には早すぎます。
【ポイント】
回復段階に応じて、座位、立位、歩行、応用歩行(階段など)の順に難易度を上げます。
痙縮には持続伸張、感覚性失調にはFrenkel体操という対応を区別します。