コンピュータによる伝票処理システムがある。
このシステムは,伝票データをためる待ち行列をもち,M/M/1の待ち行列モデルが適用できるものとする。
平均待ち時間がT秒以上となるのは,システムの利用率が少なくとも何%以上となったときか。
ここで,伝票データをためる待ち行列の特徴は次のとおりである。
・伝票データは,ポアソン分布に従って到着する。
・伝票データをためる数に制限はない。
・1件の伝票データの処理時間は,平均T秒の指数分布に従う。
正答2
解説
正解は2です。
この問題は、M/M/1待ち行列モデルの平均待ち時間の公式を使い、待ち時間が平均処理時間以上になる利用率を求めるものです。
M/M/1は、到着がポアソン分布、処理時間が指数分布に従い、窓口が1つのモデルです。
【計算】
平均待ち時間 Wq = ρ/(1-ρ) × 平均処理時間 です(ρは利用率)。
平均処理時間はT秒なので、Wq = ρ/(1-ρ) × T です。
Wq ≧ T となる条件は、ρ/(1-ρ) ≧ 1 です。
0<ρ<1 より1-ρは正なので、両辺に掛けて ρ ≧ 1-ρ となります。
よって 2ρ ≧ 1、すなわち ρ ≧ 0.5 です。
利用率が50%以上のとき、平均待ち時間はT秒以上になります。
【選択肢別解説】
1:× 利用率33%では、ρ/(1-ρ)=0.33/0.67≒0.5です。
平均待ち時間は約0.5T秒で、まだT秒に達していません。
2:○ 利用率50%では、ρ/(1-ρ)=0.5/0.5=1です。
平均待ち時間はちょうどT秒となり、条件を満たす最小の利用率です。
3:× 利用率67%では、ρ/(1-ρ)≒2で、平均待ち時間は約2T秒です。
T秒以上ではありますが、それより低い50%の時点でT秒に達するので、「少なくとも何%以上」の答えにはなりません。
4:× 利用率80%では、ρ/(1-ρ)=0.8/0.2=4で、平均待ち時間は4T秒です。
50%を超えた時点で条件を満たすので、答えとしては大きすぎます。
【ポイント】
M/M/1では、利用率50%で待ち時間が処理時間と等しくなり、80%で4倍、90%で9倍と急増します。
待ち時間(Wq)と、処理時間を含めた応答時間(Wq+T)を取り違えないよう注意しましょう。