37歳、女性。
妊娠 30週。
身長 155 cm、非妊娠時体重 55 kg(BMI 22.9 kg/m2)、標準体重 53 kg。
妊娠 28週から血圧が 140/90 mmHg を超えることが多くなり、たんぱく尿を認め、妊娠高血圧腎症と診断された。
血中カリウム値 4.5 mEq/L。
他の合併疾患はみられない。
この患者の1日当たりの目標栄養量に関する記述である。
最も適当なのはどれか。
1つ選べ。
正答5
解説
正解は5です。
妊娠高血圧症候群の栄養管理では、日本産科婦人科学会の指針が用いられます。
極端な食塩制限や水分制限は行わず、母体と胎児に必要な栄養を確保します。
非妊娠時BMIが24以下の場合、エネルギーは「30 kcal×理想体重+200 kcal」です。
【計算】
エネルギー = 30 kcal × 53 kg + 200 kcal = 1,790 kcal/日
たんぱく質 = 1.0 g × 53 kg = 53 g/日
【選択肢別解説】
1:× エネルギーは約1,800 kcal/日です。
1,400 kcalでは不足します。
2:× たんぱく質は理想体重×1.0 g=約53 g/日です。
45 gでは不足します。
3:× 食塩は7〜8 g/日程度とし、極端な制限はしません。
4 gでは循環血液量が減り、胎盤血流の低下を招くおそれがあります。
4:× 血中カリウム値は4.5 mEq/Lと正常で、腎機能障害の記載もありません。
カリウムを1,500 mgに制限する必要はありません。
5:○ 水分は、尿量が極端に少ない場合や肺水腫がある場合を除き制限しません。
本症例はいずれにも当たらないため、飲水制限は不要です。
【ポイント】
妊娠高血圧症候群では、減塩は7〜8 g/日程度にとどめ、水分は原則として制限しません。
一般の高血圧の減塩(6 g/日未満)との違いを押さえましょう。