喫煙と疾病の罹患に関するあるコホート研究の結果を表に示した。
交絡因子の影響は考えないものとする。
この結果で示される喫煙と各疾病の罹患に関する説明である。
最も適当なのはどれか。
1つ選べ。
表 あるコホート研究による喫煙者と非喫煙者における疾病の罹患率(10万人年に対する罹患率)
肺がん:喫煙者130、非喫煙者10
脳卒中:喫煙者1500、非喫煙者750
虚血性心疾患:喫煙者2500、非喫煙者1000
COPD:喫煙者30、非喫煙者4
正答5
解説
正解は5です。
関連の強さは相対危険(喫煙者の罹患率÷非喫煙者の罹患率)で比べます。
喫煙をなくしたときに減る患者数は、寄与危険(喫煙者の罹患率-非喫煙者の罹患率)で比べます。
【計算】
肺がん:相対危険=130÷10=13、寄与危険=130-10=120です。
脳卒中:相対危険=1,500÷750=2、寄与危険=1,500-750=750です。
虚血性心疾患:相対危険=2,500÷1,000=2.5、寄与危険=2,500-1,000=1,500です。
COPD:相対危険=30÷4=7.5、寄与危険=30-4=26です。
単位はいずれも10万人年当たりです。
【選択肢別解説】
1:× 相対危険は虚血性心疾患が2.5、肺がんが13です。
関連は肺がんの方が強いです。
2:× 相対危険は脳卒中が2、肺がんが13です。
関連は肺がんの方が強いです。
3:× COPDの相対危険は7.5で、肺がんに次いで高い値です。
関連が最も弱いのは相対危険2の脳卒中です。
4:× 寄与危険は脳卒中が750、COPDが26です。
減少する罹患者数は、脳卒中の方がCOPDより多くなります。
5:○ 寄与危険は虚血性心疾患が1,500で最も大きいです。
喫煙の影響を取り除いたときに最も多くの罹患者が減るのは虚血性心疾患です。
【ポイント】
相対危険は「原因としての関連の強さ」、寄与危険は「公衆衛生上の影響の大きさ」を表します。
罹患率の高い疾患は、相対危険が小さくても寄与危険が大きくなりやすいです。