K 病院に勤務する管理栄養士である。
患者は、 9歳 2か月、女児。
健診で肥満を指摘され、心配した母親が女児を連れて来院した。
初診時、 身長 135 cm、 体重 44 kg、 肥満度 41.8%。
腹囲 81 cm。
血圧 114/70 mmHg。
空腹時の血液検査値は、 血糖 90 mg/dL、AST 17 U/L、ALT 29 U/L、 non-HDL コレステロール 130 mg/dL、トリグリセリド 115 mg/dL。
家族歴なし。
原発性肥満と診断され、医師から 1日の指示エネルギー量を 2,000 kcal、たんぱく質エネルギー比率を 20%E、脂肪エネルギー比率を 25〜30%E、カルシウム量を 750 mg として、栄養食事指導を行うよう指示があった。
放課後や休日は外遊びをよくしているが、スポーツクラブなどには所属していない。
2か月後に再診した時の身長は 137 cm、体重は 44 kg であった。
指導の際、母親は、「頑張っていますが、体重は減りません。」と話した。
これに対する管理栄養士の発言である。
最も適切なのはどれか。
1つ選べ。
正答4
解説
正解は4です。
成長期の子どもの肥満では、体重を減らすことより、身長が伸びる間に体重を増やさないことが目標になります。
2か月で身長は135 cm から137 cm に伸び、体重は44 kg のまま維持されています。
身長が伸びると標準体重も増えるので、体重が同じでも肥満度は低下しています。
【選択肢別解説】
1:× 体重を増やさずに維持できているので、食べ過ぎていると決めつける根拠はありません。
頑張りを否定すると、母子の意欲を損ないます。
2:× 女児は放課後や休日に外遊びをよくしています。
運動不足が原因と決めつけるのは不適切です。
3:× 初診時の検査値に大きな異常はなく、合併症を疑わせる新たな所見もありません。
いたずらに不安をあおる発言は不適切です。
4:○ 身長が伸びた分だけ肥満度は改善しており、取組の成果が出ています。
そのことを伝えて母親の努力を認め、今の取組の継続を促すのが最も適切です。
【ポイント】
小児の肥満度は、(実測体重-標準体重)÷標準体重×100で求めます。
標準体重は身長から求めるので、成長期には体重を維持するだけで肥満度が下がります。