K 大学クリニックに勤務している管理栄養士である。
患者は、21歳、女性。
大学入学と同時に一人暮らしを始めた。
中学生の時からダイエットを始め、大学入学後、おかずには野菜だけを食べる生活を続けている。
最近、運動時に息切れするようになり、クリニックを受診した。
また他院にて、舌炎を指摘されている。
BMI 18.5 kg/m 2。
血液検査値は、アルブミン 4.2 g/dL、ALT 18 U/L、AST 20 U/L、総ビリルビン 0.8 mg/dL、尿素窒素 16 mg/dL、クレアチニン 0.7 mg/dL、赤血球 234×10 4/μL、ヘモグロビン 8.5 g/dL、MCV 112 fL(基準値 79〜100 fL)、MCHC 32.4%(基準値 26.3〜34.3%)。
この患者に行った追加の血液検査結果である。
最も適切なのはどれか。
1つ選べ。
正答3
解説
正解は3です。
野菜中心の食生活を続ける若い女性にみられる貧血の原因を、追加の血液検査から考える問題です。
事例では、ヘモグロビン8.5 g/dLの貧血があり、MCV 112 fLで基準値(79〜100 fL)を超える大球性貧血です。
おかずが野菜だけで動物性食品をとっておらず、舌炎もみられます。
【選択肢別解説】
1:× 不飽和鉄結合能(UIBC)が高値になるのは、鉄欠乏性貧血です。
鉄欠乏性貧血はMCVが低い小球性貧血であり、この患者の所見と合いません。
2:× エリスロポエチンが低値になるのは、腎性貧血です。
クレアチニンは0.7 mg/dLで腎機能は保たれており、合いません。
3:○ ビタミンB12は、主に肉、魚、卵、乳製品などの動物性食品に含まれます。
野菜だけの食事ではビタミンB12が不足し、大球性の巨赤芽球性貧血と舌炎が起こるため、低値と考えられます。
4:× 葉酸の欠乏でも大球性貧血は起こりますが、葉酸は野菜に多く含まれます。
野菜を中心に食べているこの患者では、葉酸の不足は考えにくいです。
【ポイント】
貧血はMCVで分類します。
小球性は鉄欠乏、大球性はビタミンB12や葉酸の欠乏と結びつけ、食事内容から原因を絞り込みましょう。