46歳、男性。
事務職。
会社の健診で検査値の異常を指摘されて来院した。
服薬なし。
飲酒量は、毎日ビール大瓶 2本。
喫煙なし。
身長 168 cm、体重 84 kg、ウエスト周囲長 92 cm、血圧 136/88 mmHg。
空腹時の採血で血液検査値は、AST 36 IU/L、 ALT 64 IU/L、γ-GTP 164 IU/L、 総コレステロール 213 mg/dL、HDL コレステロール 42 mg/dL、 トリグリセリド 255 mg/dL、 血糖 142 mg/dL、 インスリン 10.4 μU/mL、HbA1c 7.2%(NGSP)、クレアチニン 0.76 mg/dL。
尿たんぱく(-)。
腹部エコー検査で脂肪肝。
この症例の病態に関する記述である。
正しいのはどれか。
1つ選べ。
正答2
解説
正解は2です。
健診結果から病態を読み取る問題です。
事例は46歳男性で、毎日ビール大瓶2本の飲酒、肝機能値と中性脂肪の上昇、空腹時血糖142 mg/dLとHbA1c 7.2%の高値、脂肪肝が特徴です。
【計算】
BMIは、84 kg÷(1.68 m×1.68 m)=84÷2.8224=約29.8 kg/m2です。
LDLコレステロール(フリードワルドの式)は、総コレステロール-HDLコレステロール-トリグリセリド÷5で求めます。
数値を代入すると、213-42-255÷5=213-42-51=120 mg/dLです。
飲酒量は、ビール大瓶(633 mL)2本でアルコール濃度5%、エタノール比重0.8とすると、633 mL×2×0.05×0.8=約50 g/日です。
【選択肢別解説】
1:× BMIは26.5ではなく、約29.8 kg/m2です。
2:○ トリグリセリドが400 mg/dL未満なのでフリードワルドの式が使え、LDLコレステロールは120 mg/dLと算出されます。
3:× 収縮期高血圧ではありません。
収縮期血圧136 mmHgは140 mmHg未満で、血圧136/88 mmHgは正常高値血圧の区分にあたります。
4:× インスリン依存状態ではありません。
空腹時インスリン10.4 μU/mLと分泌は保たれており、インスリン抵抗性を背景とした2型糖尿病が考えられます。
5:× 非アルコール性脂肪肝炎(NASH)ではありません。
エタノール換算で約50 g/日の飲酒があり、非アルコール性とみなせる飲酒量(男性で約30 g/日未満)を大きく超えています。
γ-GTP 164 IU/Lの上昇も、アルコール性の肝障害を示唆します。
【ポイント】
フリードワルドの式は空腹時採血でトリグリセリドが400 mg/dL未満のときに使えます。
NASHの診断には、飲酒量が少ないことが前提条件です。