窒素を指標として、たんぱく質の消化吸収率を求めるために、成人男性を被験者として、米を用いた試験食によるバランス・スタディを行った。
被験者は、エネルギー及び窒素の平衡状態にあり、試験食からの窒素摂取量 10.0 g/日、糞便中窒素排泄量 1.6 g/日、尿中窒素排泄量 7.5 g/日、及び皮膚、毛髪、爪からの窒素損失量 0.9 g/日であった。
無たんぱく質食摂取時の糞便中窒素排泄量は 1.0 g/日であり、この値を内因性損失量(内因性排泄量)とした。
たんぱく質の真の消化吸収率(%)である。
正しいのはどれか。
1つ選べ。
正答4
解説
正解は4です。
たんぱく質の真の消化吸収率は、糞便中の窒素から内因性損失量(消化液や腸粘膜の脱落などに由来する窒素)を差し引いて求めます。
見かけの消化吸収率は内因性損失量を差し引かずに求めるため、真の消化吸収率より低くなります。
【計算】
式は、真の消化吸収率={摂取窒素量-(糞便中窒素量-内因性損失量)}÷摂取窒素量×100です。
糞便中窒素量から内因性損失量を引くと、1.6 g-1.0 g=0.6 g/日です。
吸収された窒素量は、10.0 g-0.6 g=9.4 g/日です。
真の消化吸収率は、9.4 g÷10.0 g×100=94%です。
【選択肢別解説】
1:× 75%は、尿中窒素7.5 gを摂取量10.0 gで割った値です。
消化吸収率の計算に尿中窒素は用いません。
2:× 84%は、見かけの消化吸収率(10.0-1.6)÷10.0×100で求めた値です。
内因性損失量を差し引いていません。
3:× 90%は、計算値94%と一致しません。
4:○ 内因性損失量1.0 gを差し引いて求めた94%が、真の消化吸収率です。
5:× 96%は、計算値94%と一致しません。
【ポイント】
消化吸収率の計算には糞便中の窒素だけを使い、尿中や皮膚などからの窒素損失は用いません。
尿中窒素は、吸収された窒素がどれだけ体内に保留されたか(生物価)の計算に用います。